「伊根の舟屋に行ってみたいです」
海ガールの矢口あやはさんが、ぽろりとつぶやく。
それなら早速行きましょう! もちろん海ガールなんだから、ボートで行きましょう! ということでやってきました、京都府北部、若狭湾西部の伊根の舟屋。前回、田井宮津ヨットハーバーのグランピングを紹介しましたが、今回はその続きです。
干満差が少ないことを利用し、家屋の一階を艇庫とした「舟屋(ふなや)」。憧れの秘密基地のように、海に面した家の一階が、そのままバースになっているのです。スロープを設けて屋内で陸揚げする家や、天井からロープで吊って上架する家などなど、それぞれに工夫をこらした舟屋の数々。その二階は住居になっている、すてきな漁師の家なのです。
伊根湾は干満差がないことに加え、南部に位置する青島がパタンと蓋をして、360度風を遮る天然の良港である、という点も舟屋文化を継承できた理由のひとつ。そんな伊根の舟屋を案内してくれたのは、伊根の南に位置する大島エリアにお住いの側田(かわだ)良孝さん。クラシカルディンギーのベイレーダー17をお持ちのセーラーです。
側田さんの案内で、伊根の舟屋へ行ってみよう! まずはモーターボート(和船)で現地を視察します。
(タイトル写真=ベイレーダー17に乗る側田さん(左)とあやはさん)
今回の案内役、側田良孝さん(右)と側田琴美さん(左)。
大島の漁師の家に生まれ、幼少期より海に親しんだ良孝さん。中学生のころから父の仕事を手伝い、伝馬船でタコツボ漁、サザエやアワビを獲る日々。ヨットは19歳からディンギーに乗り、X-36などを経てベイレーダー17のオーナーに。海上自衛隊に入隊し54歳で退官。定年後は、父が所有した舟屋を改築し、大島浜から、伊根湾、若狭湾の美しいゲレンデを活用し、広くセーリングを中心としたマリンアクティビティーの普及に尽力。妻、琴美さんとは知人の紹介で出会った。
若狭湾西部マップ
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伊根の舟屋マップ
普段は浜に上げているベイレーダー17を、水に浮かべてスタンバイしてくださった側田さん。なんとも美しいシアーラインです
取材中、足元をうろうろしてくれた、ニャンコたち、アロハ(左)とベル(右)。もふもふ様を抱いて癒やされる
まずは和船で伊根の舟屋を下見に行こう!
ヨットは小回りが利かないので、まずは和船で下見に出発。知人の漁師さんからお借りした平船で伊根を目指します!
気さくに知り合いの漁師さんと会話する側田さん。行き交う人はだいたい友達
箱メガネに夢中になるあやはさん。低速航行中はずっとのぞいておりました(笑)
海底が見れて楽し~!
箱メガネをしまって、では、伊根の舟屋にアクセルオン!
伊根湾に入り、ついに伊根の舟屋に到着。一階部分に海に直結した艇庫を持つ舟屋が、ずらりと並ぶ様子は圧巻です
文化保存のため、伝統和船を格納した舟屋。それにしても海の色の美しきことよ
側田さん所有「大島の舟屋」に行ってみた!
舟屋は伊根だけではない。ここ大島の浜にも、側田さんの舟屋があるのだ!
「海と船が好きな方、WELCOME」と書かれた看板を見て降りると、舟屋はすぐそこ
きれいにリフォームされた側田さんの舟屋。冬季はここに自船を格納する。海好きの人々が集まる、側田さんの秘密基地なのだ
海上から見た大島の舟屋。側田邸は右です
艇庫の奥に格納されたアルミ製のテンダー
漁網で作ったハンモックでゆらゆら~
2階の小窓から見た風景。時間が止まりそう
ここでも箱メガネに夢中のあやはさん。なんと、側田さんからプレゼントしてもらっちゃいました!
箱メガネをゲットしてテンションマックス
2階の広間でくつろぐ。波の音を聞いてゆったり過ごす
『Kazi』誌のバックナンバーがずらり。ありがたし
1階のテーブルにあったサインノートに思い出を記す。またいつか戻ってこれますように。次回はベイレーダー17のセーリングで伊根の舟屋に行きます!
(文=Kazi編集部/中村剛司 写真=舵社/山岸重彦)
※関連記事は、月刊『Kazi』2022年8月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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矢口あやは
Kazi誌にて連載「矢口あやは、海ガールはじめました!」執筆中。6月14日、大阪生まれ。ライター、ときどきイラストレーター。旅行誌やカルチャー誌を中心に、グルメ、歴史、美容などのジャンルで活動。生物が好きで2014年に狩猟免許取得。2020年に1級ボート免許取得、さらに2021年に3級海上特殊無線免許取得。夢はヨットで世界一周。
ブログ: https://ayaha-yaguchi.amebaownd.com/
インスタグラム: https://www.instagram.com/ayaha614/
note: https://note.com/sakusaku_ok
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