海ガールあやはさんが、小笠原諸島で見つけたもの

2022.07.02

今年の夏のクルージングスポットはもう決まりましたか? ここはひとつ、思い切って小笠原諸島はどうでしょう! 貨客船〈おがさわら丸〉で24時間、セーリングボートなら3~6日間ほど、セーラー憧れの南国です。

昨年、白根英路オーナーの〈WOODPECK V〉(ベネトウ・ファースト40.7)をおいかけて、白根さんの奥様・和味さんと娘さんの由麻さんと一緒に〈おがさわら丸〉に乗り込み、小笠原諸島の父島へ渡航した海ガールの矢口あやはさん。あやはさんがおすすめする小笠原のナイスなスポットとは? 初夏のある日、すてきなレポートが届きました。(舵オンライン編集部) 


 

ボニンブルーの世界へ

父島行きの貨客船〈おがさわら丸〉に乗りこんで、24時間かけて海を渡れば、次に島から東京ゆきの船が出るのは4日後。そのハードルの高さから、まるで運命に導かれるかのような思いでたどりついた先、そこには信じられないほど透きとおるパーフェクトな紺碧の海が広がっていました。

そう、これぞボニンブルー! 小笠原ならではとうたわれる衝撃的な海の色彩です。 

この光景を目にした瞬間から、気分はすっかり新しい星にあそびにきた宇宙人。めずらしい野生動物に出会ったり、お餅のようにやわらかいカメの赤ちゃんを抱っこさせてもらったり。昼はアメリカンな気配ただよう町を歩き、夜は銀河に身を浸すようにして空をながめ、ときどき蛍光グリーンに光るキノコを見つけて・・・これってもうSFじゃない? となると〈おがさわら丸〉も、さながら星くずの海をゆく小さなロケットのように感じられて。宇宙旅行ってこんな感じなのです、きっと。 

日常に舞い戻ったあとも島の日々が忘れられず、恋しくて、恋焦がれて、ついにボニンブルーのかけらを自作してしまったほど。まるで惑星まるごとを肌で感じているような不思議な輝きにつつまれていた4日間。あのまぶしさを知ってしまって、もう元には戻れない地球人(私)なのです。 

 

 

竹芝客船ターミナル(東京都港区)を出港する〈おがさわら丸〉。基本的に父島行きは曜日不定の週1便

photo by Ayaha Yaguchi

 

「いってらっしゃい!」のタオルを振るスタッフと見送り客。24時間の船旅の始まりです!

photo by Ayaha Yaguchi

 

レストランChichi-jimaのオムライスセット1,000円。絶品チキンライスをふんわり卵が包みます♪

photo by Ayaha Yaguchi

 

なぜかはまった、小島屋の牛乳もなか。2個も食べた!

photo by Ayaha Yaguchi

 

白根オーナーの〈WOODPECK V〉チームのみなさん。5泊6日の荒天航路を走りぬきました!

 

 

父島に到着し、モエ・エ・シャンドンを開ける白根オーナー。このシャンパンは、同じく古宇ヨットクラブメンバーの今村さんの差し入れだったため、「イマ・シャンドン」と呼ばれた

 

 

炎の木とも呼ばれるホウオウボク(マメ科)は、6月に盛大に散り、道路を真っ赤に染める

 

 

「海遊」のアカバラーメン1,000円。父島の白身魚、アカバがまるごと! 餃子もおいしかったです

 

 

人気の中華店「海遊」の女将さんと若女将と一緒に♪

 

 

噂のサメバーガー(500円)が食べられる「ハートロックヴィレッジ/ハートロックカフェ」。サメの力強いうま味で、HP回復!

 

 

サメの置物が目印。ジョーズ!

 

 

南島のツアーにも参加しました。1人半日6,900円(C-TRIPの場合)。ここは絶対に行ってほしいです!

 

 

カツオドリの営巣地にもなっている南島。顔が青い個体はオスです

 

 

扇池。まるで『紅の豚』のポルコ・ロッソの隠れ家みたい! その奥にはボニンブルーが広がります

 

 

南島の入島地、鮫池に戻ってきた〈WOODPECK V〉チーム。静かな入り江です

 

 

ウミガメの抱っこも体験した、あやはさん(左)と由麻さん。ぷにぷにの脇腹を優しく持ちます

 

 

ナイトツアーに参加! 1人4,000円(竹ネイチャーアカデミーの場合)。夜行性動物や植物、ビーチや星空巡りもあります

 

 

まずはオオヒキガエルを発見! 逃げません。毒あり危険

 

 

photo by Toshiaki Fushimi / Boss

一番見たかった光るキノコ、グリーンペペ(ヤコウタケ)だ!  伏見さんがナイスな腕前で撮影。不思議なキノコです

 

 

二番目に見たかったオガサワラオオコウモリは、声をすれども姿は見えず・・・。昨夜は確かにリュウゼツランの木にたくさんいました。リュウゼツランの実は、オガサワラオオコウモリ(フルーツコウモリ)の大好物なのです

 

 

機材の問題でオガサワラオオコウモリの撮影は失敗。ぬいぐるみで許してください

 

 

大神山公園・小笠原ビジターセンターの小笠原の伝統カヌーの展示。ガフリグのセーリングカヌー。当時の漁具なども再現されて展示されていました

 

 

ザトウクジラの骨格のモニュメント。スケルトン! 遊んでいる・求愛・威嚇など諸説があるクジラの「ブリーチング」ポーズ

 

 

居酒屋「茶里亭」で、ウミガメのレバ刺し(1,000円)にチャレンジ。牛レバーよりも柔らかく食べやすい。絶滅危惧種であるウミガメは保護活動の対象であると同時に、小笠原では伝統的なウミガメ食も食文化として継承されているのです

 

 

こちらはUSKコーヒー、八瀬川の上流にあるすてきなカフェです。店主のユウスケさんが作るからUSKコーヒー。放し飼いのニワトリの卵で作ったクッキーも最高

 

 

コーヒーチェリーソーダ(700円)と、モモタマナッツクッキー(150円)

 

 

小笠原の豆で淹れたボニンアイランドコーヒー(900円)

 

 

小笠原父島二見港の船客待合所の前にある、ザトウクジラのモニュメント。ホエールウオッチングは12〜5月がベストシーズン

 

 

クルーの伏見利明さんがどうしても達成したかった、大神山神社での御守りと御朱印の入手。やっと夢がかないました!

 

 

御朱印をゲットした伏見さん(ボス)。よかったですね!

 

 

二見漁港にある、かわいい「とびうお日時計」。元気なとびうおのモニュメントでした

 

 

なんとサンゴだらけ! の二見漁港。浚渫してもすぐに育ってしまうそう。さすが南国

 

 

1909 年創立の小さな「小笠原聖ジョージ教会」。1968 年にケネディ主教が来島し、教会名を「聖ジョージ教会」として聖別された

 

 

白根オーナーの〈WOODPECK V〉で父島周辺をクルージング。まずは、白根英路オーナー(左)の奥さま・和味さんが買ってくれたパッションフルーツを食べる

 

 

甘酸っぱくておいしいパッションフルーツ。地酒のラム酒をこれに入れて飲むと最高

 

 

心をつかんで離さない、小笠原諸島の海の色=ボニンブルー

 

 

 ダイビングサービスKAIZINを訪問。地元静岡県、「伊豆の地酒」を無線局オケラネットの山田和子さん(左)にプレゼントする白根さん。600マイルの荒天航海を物語るように箱がボロボロ・・・。でも中身は無事でした

 

 

〈WOODPECK V〉チームが父島を離れる日、KAIZINの和子さんがUW旗を手に見送りにきてくださった。国際信号旗のUWの意味は「貴船のご安航を祈る」

 

超貴重! 若き山田和子さんの写真。美しすぎる!

 

 

出港直前、小笠原ヨットクラブの菅野さんがフラッグを手に見送りにきてくれた。胸が熱くなるおもてなしである。菅野さん(左)と古宇ヨットクラブのフラッグを交換する白根さん

 

 

小笠原ヨットクラブの菅野さんの事務所で、父島を訪れた世界のセーラーのフラッグやサインノートを拝見。どれも貴重です

 

 

〈WOODPECK V〉チームもサインノートに思い出を書き記しました。父島に行ったらぜひ見てくださいね!

 

 

〈おがさわら丸〉出港の日、KAIZINの和子さんからレイをプレゼントされた矢口あやはさん。多くの思いがつのります

 

 

〈WOODPECK V〉を見送り、〈おがさわら丸〉に乗り込んだ、白根由麻さん(右端)、白根和味さん(中央)、あやはさん。和子さんからもらったレイを海に投げる。これは、また父島に帰ってこれるようにと願いをこめた、おまじないなのだ

 

 

また父島に帰ってこれますように!

 

 

帰路につく〈おがさわら丸〉を見送る、父島のダイビング&ツアーボートたち。どこまでも伴走する姿に目がうるむ。ラストはスタッフが海にダイブする! こんなすてきなおもてなし、父島だけかも

 

 

24時間の船旅を終えて、竹芝桟橋に帰ってきました!

 

 

ボニンブルーにインスピレーションを受けて制作した
矢口あやはさんの造形作品

イラストレーター、造形作家としても活躍する矢口あやはさん。レジンで造形した全国の海シリーズ「すぐそこに、海」に、小笠原のボニンブルーの海が加わりました!

photo by Ayaha Yaguchi

 

photo by Ayaha Yaguchi

美しく切り取られたボニンブルーの世界。「ぷるぷるのゼリーみたい。紺碧のスカイブルー」とあやはさん。京都府のそのうちcafe SNCで開催された「京都ひたひた紀行」や、新宿マルイのクリエイターズマーケット」で開催された「ひたひた新宿」などで展示・販売され話題となった。次の販売展示会の情報を待とう!

 

つくしのブックカバー&マーク展

炭素さんの紙ブックカバーが展示されます!
会期:7/8(金)~8/3(水) ※炭素さんの作品展示は7/8~19
時間:10時~21時
会場:三省堂書店 札幌店 [JRタワー札幌ステラプレイス5F]
駐車:契約有料駐車場あり
住所:〒060-0005 北海道札幌市中央区北五条西2-5
最寄:札幌駅より直結で徒歩すぐ
問い合わせ:info@tsukushi-team.com

 

 (文・写真=矢口あやは 写真・キャプション=Kazi編集部/中村剛司)

 

※関連記事は、月刊『Kazi』2021年9~12月号にも掲載。バックナンバーおよび電子版をぜひ

 

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矢口あやは

Kazi誌にて連載「矢口あやは、海ガールはじめました!」執筆中。6月14日、大阪生まれ。ライター、ときどきイラストレーター。旅行誌やカルチャー誌を中心に、グルメ、歴史、美容などのジャンルで活動。生物が好きで2014年に狩猟免許取得。2020年に1級ボート免許取得、さらに2021年に3級海上特殊無線免許取得。夢はヨットで世界一周。

 

インスタグラム: https://www.instagram.com/ayaha614/

ブログ:https://ayaha-yaguchi.amebaownd.com/

 


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