ボートで日本一周したい! けど実際には色々難しいので、妄想ですることになった当企画。前回は沖縄県内の石垣島と西表島を満喫したあと、最西端の島・与那国へと向かった。さて、今回はどうしよう?
【これまでの内容】
ボートで日本一周㉑|沖縄の島巡り!石垣島・西表島→最西端の島・与那国島へ
無事に日本最西端の島に到着!入港時には雨が降っていて視界があまりよくなくてちょっとドキドキしたけど、なんとかなった。やっぱり梅雨だなぁ。なにはともあれ、自分のボートで来られたなんて、感無量だ!!「日本最西端の碑」も見られたし。ドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地も見られたし。レンタサイクルで“Dr.コトーごっこ”もできたし。ちょっと曇ってたけど、日本で一番あとに沈む夕日も見られたし。本当に来てよかった!(妄想だ)
さて、ここから先西進すると日本を出てしまうことになる。この旅は日本一周であるからして、それはマズい。いや、本当はあと60マイルくらい走って台湾に行く、というのも非常に魅力的である。ちょっと遠くなるが台湾の南端くらいにある墾丁っていうところの後壁湖遊艇港(なんて読むのか忘れたけど、英語名はHoubihuMarina)にはセールボートで入港したことがあるから、また行きたい。そのときは台北には行けなかったし。行きたい。でも、繰り返すがこの旅は日本一周であるからして、自動的にここ、与那国島が折り返し地点になる。東へ進まなければ。
となると、すぐに目的地は決まる。日本最西端に行ったのなら、日本最南端の島である波照間島にも行かなくては。といっても有人島の中での最南端だ。本当の最南端はご存じ沖ノ鳥島だが一般人は上陸できない。それをいえば、日本最西端もそうなのだとか。ま、細かいことはいい。とにかく次の目的地は波照間島である。距離は50マイルだから、すぐだ。
港は一つしかないようなので、波照間漁港で決定。フェリーなどの定期船が入出港する港で、セールボートによる航海記も何件か見つかった。漁協などはないようなので、竹富町役場波照間出張所に連絡する。留める場所は港の中の桟橋だという。
波照間島といえば、天体観測らしい。“星空に一番近い島”といわれているようで、明かりが少なく気流が安定していることから、好条件で南十字星が見られるのだ。6月中旬までというから、見られるだろう(妄想上では5月末あたり)。晴れ間さえできれば……。晴れるようにひたすら祈ろうと思う。実はここまでもチャンスはあったのだが、ちゃんと見られてないのだ。最大のチャンスを逃すまい! 島内には星空観測タワー(2025年現在は休館中)というのがあって、設置されたすごい望遠鏡で天体観測できるようなので、そちらも絶対に行きたい。
それと、八重山諸島で一番きれいだといわれるビーチ、北浜(にしはま:沖縄の方言で北はニシと言うらしい)にも行きたい。真っ白な砂浜と透明度の高い海がとんでもなく美しいらしい。波照間島とは“果てのうるま(サンゴ)”という意味から付いたらしいから、サンゴもたくさん見られるだろう。
当然、「日本最南端之碑」も見に行く。島内には交通機関がないから、レンタルの自転車かオートバイがいいらしい。でもレンタル店とかではなく、宿で貸してくれるらしいので、港のそばの宿で借りたいと思う。長らくクルージングしていると運動不足になるから、ここは自転車だな。
まずは釣りしながら向かって、昼すぎに入港。1泊して、翌日に島内観光。その翌日には石垣島か宮古島へと向かいたい。燃料や飲食物を補給するためだ。そこから先はロングレグを予定しているので、そのための準備が必要。波照間島ではそうした物資が少ないだろうから、外から来た人が大量に消費すべきではない。ってわけで、大きな島に寄る必要があるのだ。
この旅では、基本的には、すでに寄港したところには泊まらないで行きたいから、一気に沖縄本島まで行く予定だ。ま、そのあたりは次回に考えよう。思わぬ出会いや心変わりもあるかもしれないし。まずは最南端の有人島、楽しもう♪
南東へ55マイル。ずっと西進してきたから、東進というのは久しぶり。ここからは本州へと戻っていくことになる
波照間島のGoogleEarth画像。港が一つしかないのがよくわかる。島のほぼ中心に波照間島灯台があるから、ぜひ近くまで行ってみたいな
日本一周を想定するボート〈BC〉の主な仕様
●全長:8.2m ●全幅:2.7m ●搭載船外機:115馬力×2 ●燃料タンク:400L ●巡航速度:約20ノット
(文=茂木春菜/BoatCLUB編集部、イラスト=内山良治)
※当記事は月刊『BoatCLUB』2021年4月号に掲載していた「妄想全開! 机上で日本一周」の内容を再編集したものです。
月刊『BoatCLUB』の最新号はコチラから