海外のオーシャンレースを目指すセーラーのトレーニング環境の整備、日本のセーリング界の地位向上、活性化に貢献することを目指すJOSA(Japan Ocean Sailors Association)が立ち上げたJOSA Ocean Boot Camp。クラス40を使用し、ハイレベルなオーシャンセーリングを学ぶことができる貴重な場である。そのキックオフイベント「Trial Camp 2022」の全容に迫っていこう。
(メイン写真=photo by Yoichi Yabe/大西洋単独横断レース、ルート・デュ・ラムを完走した北田 浩さんとクラス40の〈貴帆〉)
長くフランスのロリアンを拠点に大西洋横断レースに挑戦し続けた北田 浩さんの〈貴帆〉が、ついに日本に帰ってきた。クラス40。世界のオーシャンレースで採用される、ボックスルール艇であり、数々の大西洋横断レースを走破した、バリバリ現役艤装の1艇である。
この艇を使用した「Trial Camp 2022」。その参加費は、なんと無料。旅費交通費や食事、保険料などは自己負担となるが、それ以外はJOSAの援助により負担される。そのレグ1は浦賀から函館を目指す約550マイル(2022年10月3~7日)、レグ2は函館から浦賀を目指す約550マイル(2022年10月15~20日)、レグ3は浦賀から和歌山を目指す約300マイル(2022年10月26~28日)。
参加資格は、JOSAチャレンジ会員への入会と、JOSA主催のシーサバイバルトレーニング受講済みであることが条件となる(要相談)。
ついに日本に上陸した〈貴帆〉(クラス40)
photo by JOSA
コンパニオンウェイ上のアーチには「Hiroshi Kitada」の名前が!
photo by JOSA
参加要項をよく確認しよう。問い合わせはJOSA公式サイトから!
Trial Camp 2022の準備を進める〈貴帆〉
photo by JOSA
クラス40を使用した実践的なオーシャンセーリングのトレーニングは、国内初となる。この貴重な機会を逃さないでほしい。
しかし、参加要項の一つである「JOSA主催のシーサバイバルトレーニング受講済み」は、ひとつのハードルになるかもしれない(同等のスキルがある場合など、要相談)。そこで、11月25~27日にワールドセーリング認定のJOSAサバイバルトレーニングの開催も予定されている。今回のTrial Camp 2022には間に合わないが、この機会に受講しライセンスを入手するのもいいかもしれない。
また、Trial Camp 2022はキックオフイベントであり、JOSA Ocean Boot Campでは、クラス40を使用したさまざまなイベントを来年以降に開催予定。
世界のオーシャンレースを目指すセーラーたちよ。今こそ立ち上がる時がきた!
2022年11月25~27日に福岡県北九州市で開催される、JOSA主催の「World Sailing 外洋特別規定 6.02 のサバイバルトレーニング(座学・実技)」講師:北田 浩氏(JOSA)と、「World Sailing 外洋特別規定 6.05 の医療トレーニング」講師:森村圭一朗氏(JOSA)。オーシャンレース参加に必須の訓練である。国内の外洋レースにも要求されるであろうトレーニング。JOSAサバイバルトレーニング公式サイトで詳細を確認しよう。
(文=Kazi編集部/中村剛司 写真=JOSA、矢部洋一)
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