自分で釣った魚はそれだけでおいしいけれど、仕立てることでもっともっとおいしくなる。月刊『ボート倶楽部』2019年11月号の特集「魚のうまみを引き出すひと手間」では「究極の魚仕立て法 話題の“津本式”を大解剖」として、話題の津本式を紹介した。ここではその内容を一部抜粋して、津本式で魚をおいしくする方法を解説します。
(文・写真=BoatCLUB編集部)
津本式とは?
耐圧ホースや専用アイテムを用いて、魚を適切に締めたり、血を抜いたりして、長期熟成に適した状態にするためのテクニックのこと。宮崎県在住で、魚の販売などに携わる津本光弘さんが考案した。
津本式は、大きく分けて、「締め」「血抜き」「熟成」から構成されており、なかでもホースを用いる血抜きは、「究極の血抜き」と名付けられ、これをするだけでも、食味は大きく変わるという。
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熟成のためのラッピング
※熟成のためのさばき方はコチラ
キッチンペーパーで包んだら、破れにくいポリ袋などに入れて、ホースを使って口で空気を吸い、真空に近い状態にする。ホースで袋内の空気を吸いながら、袋の口を持ち、袋をくるくると回すと簡単に密閉できる。
袋の口をしっかりとふさいだら、低温保存に移る。津本さんいわく、熟成に適した温度は2度くらいで、氷水に漬けるのがちょうどそれくらいだとか。海水+氷だと冷たくなりすぎるのでNG。冷蔵庫で庫内温度が2度のものがあるが、ドアを開けるたび温度が変わってしまうので、氷水に漬けるほうが温度が安定していいという。
熟成する期間は、津本さんのような達人であれば、10日~2週間ほどもたせることができるが、慣れないうちは、1週間が限度だと考えていたほうがいい。いずれにせよ、長期熟成は腐敗と紙一重の世界。自己責任で行ってほしい。
ラッピングの手順
①今回は撮影の都合上、頭を落として半身でラッピングしたが、本来はできるだけ切り口を少なくした状態で包んだほうがいい
②魚を包むのに使用するのは、どこにでも売っているキッチンペーパーでOK
③キッチンペーパーで包んだ魚を袋に入れる。市販の破れにくい厚めのポリ袋やビニール袋で問題ない
④ホースの片方をビニール袋に差し込んで、もう片方から空気を吸い、袋の内部を真空に近い状態にする
⑤空気を吸いながらビニールの口を持って袋をくるくると回し、空気がもれないようにして口を縛る。このあと、低温保存へ
(上)4日前に仕立てたシマアジを見せてもらうことに。魚を包んでいる緑色の紙は耐水紙だが、わざわざ用意する必要はない
(下)4日前の魚とは思えないほどきれいな魚体。においもほとんどない。きちんと血抜き処理がなされたからこその仕上がりである
津本光弘(つもと・みつひろ)
1973年生まれ。大阪府大阪市出身で、現在は宮崎県在住。バス釣りがメインだが、友人のフネでボートフィッシングに出かけることも
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