ボートで日本一周⑪|大分・別府→宮崎・日南の海の駅へ

2024.11.01

ボートで日本一周したい! けど実際には色々難しいので、妄想ですることになった当企画。前回は広島県のフェアウインドから、大分県の別府北浜ヨットハーバーへと向かった。次の寄港地はいずこへ?

 

【これまでの内容】

どんなボートで、どんな航程で、日本一周しよう?

ボートで日本一周⑩|広島→大分、温泉のある寄港地へ

 


いや~温泉、最っ高!! さすがは日本でも名だたる温泉郷、別府。完全に癒やされた(行ったことないので、完全妄想)。そして温泉に入りながら、次の寄港地を思案。ふむ。ここからは島が多いエリアなので、島好きとしては、本当は一つ一つの島すべてに寄りたい。

しかし、それはいかに読者諸氏の寛大な心をもってしても、ちょっとさすがにスローペース過ぎるだろう。しかもすべての島を調べたら、本当に行きたくなって、仕事が手につかなくなりそう。というわけで厳選した島に寄ることにする。

まずは、現在いる大分県・富城ヨットハーバーあらため別府北浜マリーナから南下し、一番近くの島が種子島。その北端まで180マイルちょっと。単純な計算上で9時間だから、余裕をもって10時間。朝5時に出たとしたら15時到着かぁ。

いつもは途中、気になる地形のところで少しだけ釣りをしているけど(妄想)、このレグでは余裕がないし、あくまで180ちょっとは、島の北端までの話。さらに、そこから西側の西之表港に行くならプラス10マイル、東側の熊野漁港へは20マイル、それぞれある。まさかの200超え! いや、セールボートでは、300マイルとか、500マイルなんてのも走ったけど、クルーが何人かいてワッチが組めてこそ可能になるわけで、1人で行く距離ではない。

ムムム。ここは刻むしかなさそう。というわけで、途中の港を探そう。唯一、訪れたことがあるのが、たぶん日向市の港。学生のころセールボートで屋久島に行く途中に寄ったんだが、いかんせん“日向”という地名しか覚えていない。というのも、当時、部員が多かったため、長距離のクルージングは班分けをしていた。その乗り換えのため、同期と一つ上の先輩と3人で、東京から鈍行電車だけを使って2日かけて港まで行った。つまり、私は入港を体験していないのである。

港にいたのも数時間で、そそくさと次の港へ出港したと思う。あまり覚えていないのには、2日間、電車とファミレスで仮眠を取っただけで、ひたすら電車に揺られていたから着いたころには疲れ果てていた、というのがある。夏だったし。と若かりしころの覚えていない言い訳を並べてみる。ダメだ、まったく役に立たない、この記憶。

では、新しく入ってみたい港を決めるだけだ。なんとなく日向あたりから見ていくと、土々呂なんてステキな名前の港があるけど、錨泊だけっぽい。南下して門川漁港があるけど、ハマチ(ブリの若魚)の養殖場(海上イケス?)が多いみたい。細島港は商業港で、留められなくはないけど……という感じ。

もっと南下すると、ようやくマリーナを発見。電話してみると、とてもていねいなご対応。もろもろ満足したのだけど燃料の補給施設がないので、どうしようかな。別府からサンマリーナ宮崎まで113マイルだから、燃料はかなり食うはずで、燃料の補給をしない、というのはまずあり得ない。調べてみると、クルマで5~10分のところに、ガソリンスタンドならばある。ここに携行缶を持ち込んで給油というのが唯一の方法だが、それにしても何往復すればいいのやら……。

ここは、もう少し頑張って南下して、みやざき・にちなん海の駅になっているカームラナイハーバーに行こうかと思う。ウェブサイトを見ると、めちゃくちゃオシャレなグランピング施設が併設されている。実際に見るのが楽しみ♪ 137マイル、楽しんで行こう!

 

九州東岸沖を南下していくコース。出発地が宮城ヨットハーバーとなっているのはコチラ(前回)をご覧いただきたい

 

カームラナイハーバー
グーグルアースで見るとこんな感じ。油津港内にあるグランピング施設が併設された係留桟橋で、60フィートくらいの大きさまでのボートが係留可能だそう。みやざき・にちなん海の駅にもなっている。係留も給油もすべて事前予約が必要なため、連絡は怠らずに

 

日本一周を想定するボート〈BC〉の主な仕様
●全長:8.2m ●全幅:2.7m ●搭載船外機:115馬力×2 ●燃料タンク:400L ●巡航速度:約20ノット

 

(文=茂木春菜/BoatCLUB編集部)

※当記事は月刊『BoatCLUB』2020年5月号に掲載していた「妄想全開! 机上で日本一周」の内容を再編集したものです。

 

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