東京都・神田川、浅草橋&柳橋 江戸情緒と令和のTOKYOが混在、古くて新しい“映え”エリア

2024.06.27

【水路を航く】#42/東京都・神田川、浅草橋&柳橋 ビルに囲まれた“屋形船の休憩場所”

三鷹市の井の頭池を源流に都心を流れる神田川は、高田馬場や飯田橋、水道橋などを経て隅田川に合流する。

その直前の浅草橋~柳橋あたりでは、狭い川幅の両岸に昔ながらの船宿が並び、昼間なら、独特のフォルムをもつ屋形船が数多く係留されているのを見ることができる。

花街として栄えた時代も今は昔、直立護岸工事が施された川に沿った陸地には、コンクリートや金属で造られた建物がひしめき合っているが、ふと川面に目を転じると、屋形船がずらりと並び、華やかだった往時の雰囲気を感じとることができる。

江戸情緒と令和東京の日常が入り混じる風景を、フネから、そしてゆっくりと歩いて散策してみるのも楽しいものだ。

 

(トップ画像説明)
午前10時ごろ、稼働前の屋形船たちが水路に並んでいる。浅草橋の上から西方向を向いて撮影すると順光になるため、フネの屋根が色鮮やかに映える

 

川に浮かぶ屋形船や木造の船宿と、護岸に沿って立ち並ぶビル群。コントラストに富んだ風景の奥に見える緑の橋が柳橋だ

 

柳橋は夜になるとライトアップされる。その緑色の光は水面にも映り、昼間の明るい時間帯とはまったく違う表情を見せてくれる

 

柳橋の欄干には、かんざしをモチーフにした飾りが施されている。かつて花街として栄えていた当地の歴史をしのばせる粋な演出だ

 

神田川と隅田川の合流地点から。浅草橋と両国を結ぶ総武線が、光の線となって鉄橋を通過する。スカイツリーや首都高の街灯と相まって、美しい夜景をつくり出していた

 

柳橋のたもとにある柳ばし 小松屋は、明治から続くつくだ煮店。生けのアナゴを使用した「一と口あなご」や大粒のあさりをさっぱりと煮あげた「手むきあさり佃煮」(4~10月の期間限定)など種類豊富で目移り必至。事前連絡すればフネでの買い物も可能だ
柳ばし 小松屋 TEL:03-3851-2783

 


日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲する。

第42回は、『ボート倶楽部』2022年7月号に掲載された、東京都の神田川で出会った水辺の風景をお届けします。
(※本記事の取材は2022年の4月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください)

 

(文・写真=舵社/山岸重彦)

 


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