開国の港町・浦賀 ポンポン船で東西の神社へ参拝を

2024.01.26

【水路を航く】#37/神奈川県・浦賀

フネにまつわる歴史がそこかしこに残る港町を散策

ペリーが黒船に乗って来航した神奈川県・浦賀の港には、1,000隻以上の艦船を建造した美しいレンガ造りの浦賀ドックや現在も地元の人の足として活躍する渡し船、そして、江戸から明治にかけて、航路の安全を見守ってきた灯台跡などが残っている。

浦賀港の東から西への移動は、陸路だけでなく渡し船でもできる。

対岸までは約3分、渡し船に乗って東西の叶神社にお参りすると恋がかなうともいわれている。

また、西浦賀の海沿いにはプロムナードが整備されているので、潮風を感じながらの散策も心地よい。見どころ満載のエリアだ。 

 

(トップ画像説明)

浦賀港の西側にある愛宕山公園からの景色。高台になっているため、真下に港の入り口が見え、天気のいい日には、浦賀水道航路を航行する大型船を目にすることができる。港の中を行くのは、海上から浦賀周辺の景観を楽しむことができる観光船。

 

西渡船場につく浦賀の渡し船。ポンポン船の愛称で親しまれる、浦賀のシンボル的存在。フネが対岸にいる場合は、呼び出しボタンを押すと来てくれる。運行時間は7~17時。大人400円、小中学生200円。自転車の場合はプラス50円

 

文覚上人が石清水八幡宮より勧請し創建された西叶神社。源氏再興を祈願しそれがかなったことから、叶大明神と呼ばれるようになった
西叶神社 TEL:046-841-0179

 

(左)西叶神社の絵馬は黒い「叶」の文字。毎月1日の月次祭で成就が祈願される
(右)西叶神社の狛犬は両方とも阿(あ)形で東叶神社は吽(うん)形なので、東西で一対と考えられている

 

明神山を背に、西叶神社を勧請し建立された東叶神社。西を本宮、東を若宮と呼ぶことも。山の中腹の本殿までは石段が続いている
■東叶神社 TEL:046-841-5300

 

(左)西叶神社の黒に対し、真っ赤な「叶」の文字が鮮やかな東叶神社の絵馬
(右)東叶神社の狛犬は二体とも吽形。よく見ると片方は子どもを抱き、乳を飲ませている 

 

大型艇の上下架もできるシティマリーナヴェラシスの横に残る川間ドック跡。国内に残るレンガ造りのドライドックは浦賀ドックとここだけ。渋沢栄一が明治時代に造り、現在はマリーナの一部として活用されている

日本各地にある海峡や運河などを巡る、月刊『ボート倶楽部』の人気連載「水路を航く」。 舵オンラインでは、過去に誌面で取り上げた水路の中から、印象的だったいくつかの水路を再掲しています。第37回となる今回は、『ボート倶楽部』2022年2月号に掲載された、神奈川県は浦賀の港の風景をお届けしました。

※本記事の取材は2021年の11月に実施しました。掲載内容は取材当時のものとなりますのでご注意ください

 

(文・写真=舵社/山岸重彦)

 


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