
ボートで日本一周したい! けど実際には色々難しいので、妄想ですることになった当企画。前回は島根半島周辺の美しい景観を楽しみながらマリーナ大栄に到着。さて、次はどこに向かおう?
【これまでの内容】
どんなボートで、どんな航程で、日本一周しよう?
ボートで日本一周㉟|隠岐諸島へ寄りたい誘惑を振り切り、先へと進む!
マリーナ大栄に向かう途中、日御碕から美保関あたりまで、危険じゃない程度に岸に寄って走っていたら、ごろごろとした岩場や濃い緑などの景色が面白くて、ついついワッチ不足になりそうになりながら、でもなんとかマリーナ大栄に到着。楽しいクルージングだった(妄想)。さぁ、先を急がなくちゃ。
どこまで行こうかな?とニューペック上でどんどん東へと目を転じていくと、若狭湾にぶつかる。入って湾内で遊んでいきたいところだけど、何度か浮かんだことはあるし、今は先に進むべきだ。
では、もう少し先か。そうしてさらに東へと目を向けたところで、あれ、知ってるぞ、このへん。なんだっけ……(と海図を拡大表示)。あ、三国だ。三国といえば、ジギングやらキャスティングの釣りだ。
どこだっけな……と探して、あったあった。2017年6月号の本誌を引っ張り出してくる(厳密にはPDFなんだけども)。そう、この号の連載「ローカル釣り便り」で北陸ボートアングラー横山修二さんが三国沖のジギングを紹介していたのだ。なんでも三国沖には有名な釣りポイントが広がっていて、そこで友人のボートでジギングをして楽しんだ、という内容だった。そうそう、ポイントの名前は玄達瀬だ(と記事を読み返しながら思い出す)。
玄達瀬周り一帯は天然礁で、水深20~300メートルくらいの高低差がある海底起伏に富んだ海域ゆえに、かなり魚影が濃いそうだ。ただ、そんな海域だから禁漁期間が設けられていて、6~8月の中で約2カ月間しか釣りが許されていない。しかも、このあたりの海域に入るには必要な装備を搭載した上で、申請をして認められないといけないらしい。だから、自艇では行けない。このあたりの遊漁船に乗って行けばいいんじゃないの~♪と思ったが、横山さんいわく、この短い釣行期間ゆえに、半年前から予約を取るようなコアなファンもいるそう。むむむ、まぁこのあたりは運としかいいようがないので、あまり気にしないでおこう。玄達瀬やその北側にある松出シや大グリといったポイントの地形を見ているだけでも面白い。楽しみだ♪
で、肝心の係留場所だ。このあたりは三つのマリーナがある。一つは三国ヨットハーバー、これは広いスロープを備えており、セーリングディンギー系に開かれたマリーナなのだろう。次に三国マリーナ。九頭竜川の河口から少し上ったところにあり、陸上保管のみのマリーナで、一時係留用の桟橋に留めてくれなくはないだろうけど、その手前の河口付近に一番大きなマリーナがある。九頭竜川ボートパークだ。海上係留と陸上保管、両方あって、結構な広さがある。ビジターも留められると書いてあるが、要予約。早速、予約して行ってみようっと。
ニューペック上でコースを引いていたら、ちょうど浦島礁という地形変化のあるところを通るから、おっ!と思ったら、水深が浅いところで110メートル……。125マイルも走らなきゃだから、深いところで遊んでいるヒマはない。というわけで脇目も振らず走るべし!

北東方面に一直線で125マイル。楽しみつつ、行こうっと♪

ちょうど今回の目的地の北方に位置する、玄達瀬周辺の海底地形図。海底の起伏がよく見てとれる

九頭竜川ボートパークを見たグーグルアースの航空写真。こうして見ると結構なスペースがあるのがわかる。保管形態は海上も陸上もあって、どちらも快適そう
日本一周を想定するボート〈BC〉の主な仕様
●全長:8.2m ●全幅:2.7m ●搭載船外機:115馬力×2 ●燃料タンク:400L ●巡航速度:約20ノット
(文=茂木春菜/BoatCLUB編集部)
※当記事は月刊『BoatCLUB』2022年6月号に掲載していた「妄想全開! 机上で日本一周」の内容を再編集したものです。
月刊『BoatCLUB』の最新号はコチラから