ボートで日本一周したい! けど実際には色々難しいので、妄想ですることになった当企画。前回はステキな小鳴門海峡を見つけて通ることにした。さぁ、次は瀬戸内海! 寄港できるところがたくさんあって迷うけど、どこへ行こうかな?
【これまでの内容】
ボートで日本一周⑧|和歌山・田辺→小鳴門海峡→徳島・大浦漁港へ
小鳴門瀬戸はとってもいいところだった。狭い海峡のあちこちに小さな渦潮が見られて面白かったし、海峡らしい水路の風景は美しかった。瀬戸内海ではよく見られる、陸の木々が海の近くまで迫っている光景も、その先の瀬戸内海を感じさせるもので、ワクワクした。別の日には、大鳴門橋のところで迫力の渦潮も見られたし、おいしいものも食べて、満足!(すべて妄想)
さて、瀬戸内海である。最初の港は勢いで四国側に入ったものの、通常、内海は南側の陸を行くか、北側を行くか、非常に迷うものだ。島好きとしては、その間にある島々も魅力的。しっかし、こんなにもたくさん島があると、どこに寄港しようか、その点でも大いに迷う。迷いだらけで、どうしたものか。
まず誘惑してくるのは小豆島だ。小豆島には道の駅・海の駅「小豆島ふるさと村」というのがあって、係留できるだけじゃなく、おいしいものはもちろん、体験メニューや宿泊施設まで、豊富に遊びのメニューが用意されている。売店などを利用すれば、一時係留は無料だったりもする。ただし、今いる大浦漁港からは距離が近い(20マイルないくらい)から、寄っても立ち寄りか。朝イチに大浦漁港を出て、ちょっと小豆島に寄って、買い物でもしてから走る、というのも悪くはないか。
そこから西へと進むと、たくさんの島が浮かんでいて、その先が瀬戸大橋。それをくぐれば、またしても島、島、島。止まれそうな港は数多くあって、なんてステキなゲレンデなんだと、海図を見ているだけでもうっとりする。でも、島に負けないくらい航路やら灯浮標やらがたくさんあるなぁ。太平洋側で育った身には、これだけ障害物がある海は怖く思える。いつも、次の港へのモデルコースを、ニューペック上でいくつか引いてみるのだけれど、これだけいろいろあると、どこを走ろうか迷う。瀬戸内海は“迷いの海”だな。
結局、迷いに迷って決めたのが、恵幸マリーナ。行ったことがないマリーナに行ってみたいと、2020年に妄想していたときは思ったのだが、これを書いている2024年には恵幸マリーナは廃業してしまったという。なので、近くにあって2021年に実際に訪れたことのある、フェアウインドを新たな目的地としよう。
表示されているコースは目的地が違うが、だいたいは一緒。途中は、極力航路を避けるようにコースを引いてみたので、不自然かもしれない。実際は、航路の交通量を見ながら進むことになりそうだ
フェアウインド
大規模な修繕用ドックを抱える向島ドックが運営母体の、1987年に創業した老舗マリーナ。海からも陸からもアクセスがいい好立地で、おしゃれなクラブハウスではゆったり休憩できる
2021年に撮影したフェアウインドの桟橋。その後、変化している可能性もあるが、ビジターの受け入れはしている。ビジター利用は事前予約が必須なので、必ず連絡されたし
フェアウインドのある向島と因島を結ぶ、因島大橋。瀬戸内海らしい光景だ
日本一周を想定するボート〈BC〉の主な仕様
●全長:8.2m ●全幅:2.7m ●搭載船外機:115馬力×2 ●燃料タンク:400L ●巡航速度:約20ノット
(文=茂木春菜/BoatCLUB編集部、写真=舵社)
※当記事は月刊『BoatCLUB』2020年3月号に掲載していた「妄想全開! 机上で日本一周」の内容を再編集したものです。
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