安心で快適な航海を支える、船乗りの頼れるパートナーである舶用電子機器。いまやナビゲーションツールの主体は、紙からデジタルの時代へと、完全に移ったといえるでしょう。
今回は、さまざまな航海機器、通信機器などの開発に努め、海の可能性を広げる舶用電子機器メーカーでのお仕事について紹介します。
※2024年『Kazi』1月号の特集「海で働く」では、マリン業界の中からいくつかの職種を紹介しました。その内容を再編し、舵オンラインで公開します!
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マリンの仕事⑤|世界の海で信頼される製品を|舶用電子機器メーカー
マリンの仕事⑤|舶用電子機器メーカー
古野電気さん
(上写真説明)古野電気でプレジャーボート向けの新商品開発を担当する大古詩織(おおこしおり)さん。実際に海に出て情報収集することも多いという
海の大ヒット商品を生み出す
プレジャーボートから大型商船まで、頼れる航海機器と言えば古野電気。魚探を世界で初めて実用化したことでも知られる、日本が世界に誇るマリンエレクトロニクスメーカーだ。
どのような思いで製品が生み出されているのかを確かめるため、同社舶用機器事業部 営業企画部営業開発課の若手ホープ・大古詩織さんと、その上司である清水孝士課長(以下に写真と紹介あり)にお話を伺うことにしよう。
主にプレジャーボート向けの新商品の企画をしているという大古さん。
「お客さまの声を集めたり、新しい技術を調べ、よりお客さまが欲しいと思う商品や機能を考えています」とのこと。
同社の製品は海外でも広く販売されているため、新商品に関する要望などは海外の子会社にも調査をする。
よりたくさんの人に商品を使ってもらうため、何をしたらいいか考えることに大古さんは面白さを感じているという。
商品を船に取り付けて情報収集。厳しい自然のなかで使われる製品だけに、実際に海に出てテストを重ねることも非常に重要だ。行った先々の港や海で、FURUNOのレーダーがお客さまの船で使用されているのを目にすると、うれしくなるという
担当商品は海外でも販売されているため、海外の子会社の方々が集まる場で新商品についてプレゼンすることも
そんな何事にも真摯に取り組む大古さんを、清水さんは「自分の信念をしっかり持っていて、経験が豊富な社員ともうまくコミュニケーションをとりながら着実に対応しています」と評価。
多くの声に耳を傾け、その要望を形にする、コミュ力や企画力、実践力が必要とされる仕事のようだ。
清水さんいわく、この仕事は「船や魚など海に興味がある人、海を通じて世界中を訪れる機会があるので、旅好きにもおすすめです」とのこと。
自分自身が世界に出て学び、形にする──“海の大ヒット商品をつくる”という目標に向かい、古野電気は熱意あふれる社員とともに日々邁進している。
2006年入社、営業企画職、海外駐在などを経て、現在は営業企画部で商品企画を担当する部署の課長を務める
大学時代はヨット部に所属。2022年に大学を卒業し古野電気に入社、営業企画部で主にプレジャーボート商品の企画に携わり、情報収集や学びの日々だという大古詩織(おおこしおり)さん。プライベートではILCA6(レーザーラジアル級)を購入し、セーリングを続けている
一言でユーザーと言っても、プレジャーユースからプロユースにいたるまで、いろいろな場面で製品に対する要望を聞くことも大切。同僚も含めて、多くの人の声を聞くコミュ力やリサーチ力が特に求められる
(問)古野電気
兵庫県西宮市芦原町9-52
TEL: 0798-65-2111(代表)
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(文=山田祥子/舵社 写真提供=古野電気)
※本記事は月刊『Kazi』2024年1月号に掲載されたものです。バックナンバーおよび電子版をぜひ
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